ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

2012年花組『近松・恋の道行』観たよ

『近松・恋の道行』 | 花組 | 宝塚バウホール | 宝塚歌劇 | 公式HP

つらかった……。
最初から最後まで観ててずっとつらかった演目なんて、宝塚知ってから初めてなんじゃなかろうか……。

バッドエンドもいいところの悲恋で悲劇なんだけど、まず「近松」ってタイトルでこっちがそれをわかって観始めるから、そもそもつらい。
BGMがずっとマイナーコードの切ない楽曲で、2人の暗い運命を教えてて、さらにつらい。

https://itunes.apple.com/jp/album/hua-zu-ri-ben-qing-nian-guan/id540936253:iTunesで視聴できます

また、みわっち*1の役どころがね……。
まっすぐでまじめでばか正直で、人を疑うことを知らない商家のおぼっちゃまって設定なんだけど、みわっちのまっすぐな瞳にすごーーーーく合ってるんです!
それがさらにつらいんです!!!(´;ω;`)

みりおん*2はやっぱり天才だね。
育ちが悪くて、遊郭に売られて、幸せを知らないまま生きてきて幸せに憧れてる遊女を演じてます。
細面なのが薄幸さを連想させて、すごくいい。
歌も踊りもきれいだし、演技も言わずもがなだし、本当に天才娘役さんですね。

みつる*3のシリアス演技にも目を剥きました。
みつるを初めてちゃんと意識したのが『おかしな二人』という大爆笑コメディだったため、みつるを見ると反射的に笑ってしまう症状を患っていたのですが、この作品で沈静化しました。
みつるはお芝居上手ですね。どの役柄でも、舞台に現れただけで「あ、この人はこういう人なんだ」って、役柄のキャラクターを「感じ」させる。
所作や台詞回しで感情や性格をはっきり出すけど、わざとらしくならない。すごく自然。
いやー、華形ひかるはたいした俳優ですね!!!

みーちゃん*4のチャラい性悪男っぷりも素晴らしかったです。
私は観に行かなかったのですが、蘭寿とむコンサート『Streak of Light』での「男2*5」っぷりも見事だったらしいですね。
キワモノ専科になりつつある気がするのがすごく嫌な予感なのですが……。劇団に特に大事にしていただきたいジェンヌさんの一人です。

『Streak of Light −一筋の光…−』 | 花組 | 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ | 宝塚歌劇 | 公式HP

つらいつらいばかり書いてしまいましたが、それだけ心を揺さぶる、「誠」にあふれた演目でした。
植田景子先生の作品観るの初めてだったのですが、ありがとうございます! と叫びたい。

観ながらTwitterで「独り実況」していたところ、みわっちご贔屓の方にも
「最後に素晴らしい作品を書いていただいた。ファンの私たちにとっても大事な作品です」
というコメントをいただきました。名作ですものね。号泣したい気分の日に是非。

*1:音羽

*2:実咲凛音。現宙組トップ娘役

*3:華形ひかる

*4:春風弥里

*5:2番手男役