ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

花組『復活 -恋が終わり、愛が残った-』

ダーイシとらんらんは相性が良いなぁ……と思う。

らんらんそれぞれの持ち味を、良さ・強みとして引き出して見せるのが上手い。

ダーイシ作品でのらんじゅさんは情熱とクサさを存分に発揮してるし、蘭ちゃんも、活動的でのびのびと演技している気がする。

 

「都会に洗練された女は多いが……(溜め)……君は、いない」

とかどんだけだよ! って思うし、宝塚の男役、中でもらんじゅさんだけに許されてる感のあるクサさだけど、それを舞台の上で本当にやらせてくれるのがダーイシなんだよなァ~~~。

 

カチューシャはナイス暴言ヒロインで、宝塚でこんなにアバズレとか淫売とか下品な語尾を吐き捨てまくるヒロインって他にいるのかしら、『カナリア』のアジャーニより過激なのでは。

けれど蘭ちゃんの品のある容貌は、それだけ罵詈雑言を口にしたところで失われない宝塚の娘役の気品、そして役であるカチューシャの誇りと想いを体現してるんだよなぁ。

 

まゆえりみわの花組って本当に華やかだなぁ。

ハッチさんもさおたさんもみつるもまりんさんもふみかさんも揃っていて、そしてちょうどこの作品の頃はだいもんが押し出し中だったのだ。

娘役陣も月野姫花氏、じゅりあ、きらりと豊作で、あの一花さまの出番が少なすぎるほどのひしめきっぷり。

 

初演(1962年)のタイトルは『カチューシャ物語』で、そう、これもヒロイン・カチューシャの物語なのだ。

主役とヒロインがW主演のような、私の好きなバランス感。

それぞれが「今、自分がどうしたいか/どうすべきか」に真剣に向き合い、選択をしていく。

 

なんとなく最後、ハッピーエンドなのかな~と思わせといて、どんでん返しであった。

さすがロシア文学

けど、それを「一人の青年の成長」「新たな旅立ち」につなげているところが、さすが宝塚歌劇