読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

雪組『凱旋門』

何度か書いている通り、私が初めて特定のジェンヌとして好きになったのは轟悠氏で、彼女の主演作の中でも、この作品は特に好き。

 

洋画っぽい雰囲気が、イシグンの耽美なルックスにとてもとてもよく似合う。

柴田先生作品は端正で作り込まれた美だから、イシグンハマるよなぁ……。

お芝居の芸風も相性が良い気がする。

グン様はちょっと作り過ぎの感じはしたけれど。

当時の宝塚のお芝居って、ああいう形式張ったのが主流だったのかな……。

 

話はとことん暗い。

宝塚の悲劇の中でも、特に暗い作品の一つなのでは。

シリアスなのが、またイシグンの翳のある美しさを輝かせる。

イシグンって美しさの種類も似てるよね……。

本当に最高の耽美美形コンビだと思うよ……。

 

また、「暗い過去を背負う」「ユダヤ人」「亡命」「医師」っていう、盛り過ぎやろ!!! ってキャラクター設定が全部似合うイシさんな。

雰囲気も演技も重めだから、そういう重めの人生を背負った人物を演じるとすごくよくハマるのだ……。

 

冒頭の「冷たいよ」の、温度の無い突き放した言い方、(なぜか)口元を手で隠さないキス、何もかもが男役として素晴らしい。

考えてみれば、この時既にトップスターだったのだから、男役としてかなり完成されているのだ。

そこからさらにキャリアを重ねた今、「轟悠は男」なのは自明の理なのかもしれない……が、やはり歩みをやめないその姿勢は尊く素晴らしい……。

 

これもラストは、男の腕の中で女が息絶えるのだ。

その場面の、哀しくも美しいこと。

柴田先生作品は、臨終の場面が美しくてつらさを加速させますね……。

 

ぱららぱららぱらら~♪ のテーマ曲も名曲。

寺田瀧雄先生、これが遺作なのですよね……。

 

しかしこれがあのデパメンと併演だったのは、劇団史101年の中でもびっくり度高いよなぁ。

映像で知る我々がこれだけ驚くんだから、当時劇場に行かれた方はさぞやと思う。

広告を非表示にする