宙組『クラシコ・イタリアーノ』
「なるほどこれが宝塚のアテ書きか……」
と納得させられるものがある。
渋くてクールでカッコよくて職人のゆひさんに、ドジだけどスイッチ入ると神がかった才能を発揮するすみ花。
そしてかなめさんはここでもまた軽薄そうでチャラっとした役を当てられておる……見た目が似合うからね……。
白・黒・オレンジの色彩と、スタジオのセットがやたら大きいのが印象に残っていたのですが、景子先生だったと知り納得。
すみ花の可愛さと男キャラ同士の絡みばかりが印象に残ったのも納得……。
こう、見せたいものをバーンと見せて印象づけるのは上手いのだけれど、それがストーリーの要所と一致していないし、キャラクターたちの決断とか心の動きに説得力を欠いているから、物語として心に残りにくいのだよな、景子先生作品は……。
シーン一つ一つはきれいだから、観ているその場では胸に来るし、泣いちゃうんだけどね。
そしてびっくりするほど娘1以外の娘役の出番が無いし、娘1も作り込みの浅い「ヒロイン像」に留まっているというか、記号・要素・属性の寄せ集めという感じがして、人間味を感じにくい。
なぜ男性の正塚先生の方がよっぽどイキイキとして血の通った女性を描けるのだろうか……?
本当はBLだけ描いていきたいのか……???
しかしすみ花がギャン可愛でレトロなお衣装・ヘアスタイルもめっかわなので、そこのところの設定はありがとうございますです。
大ベテラン専科生の五峰亜季姐さんを妻役にする大ちゃんってのもありがとうございます。