ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

花組『ブラック・ジャック 危険な賭け』

オープニングが好きすぎて、オープニングだけで言ったらもう20回くらい見ているんではないだろうか。

宝塚見に来て、真っ暗な舞台で主演の人が真っ黒な衣装着てて、いきなりジャジーな曲に合わせて0番でひとりでふしぎなおどりを踊ったらびっくりするよねぇwww
今見ても「明度低すぎwwww」ってなるんだから、20年前はもっと違和感あったろうなぁ。
良いのだ、正塚先生は宝塚の「伝統と革新」の革新担当だから……。
勤続40年のベテランになっても永遠の新人だから……。

場面と場面のつながりが見事で、映像で見てても停止しづらい。
流れるように見続けてしまうよね。
最初の「かわらぬ思い」の最後の音が、パブの場面の最初の音につながってるのに気づいてびっくりした。

正塚先生の作品には空港とか駅とかの「人が到着する場所/出発する場所」がよく出てくるけど、この作品での使われ方は象徴的で特に好き。
BJが最初にケインに出逢い、トラブルに巻き込まれる発端になったのも、物語が幕切れになるのも、空港。
まっつBJでは結局旅立てない場所として出てきたけれど……。
まっつBJの主軸はトラブルではなく、BJとピノコの日常、生活、人生のうちの1年間の物語だったからだろうか……。

ひとつ気になっているのは、正塚先生の最初の予定通り、みはる氏がピノコを演じていたらどうなっていたのか、ということ。
ヤン様BJのときBJピノコの物語を描けなかったからこそ、そのテーマが20年温存されて、まっつBJの物語を生んだのだと思ってる。
公式に相手役という形式でもなかったまっつ桃ひなであれだけ濃密な愛情の世界を描いたのだから、トップコンビでその関係性を描写する、となると……。
妄想楽しいパラレルワールド演目です。