ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

月組『ベルサイユのばら』まさみり

これを生で見られたのは、割と私の人生で自慢して良いと思っているのだけど……まさみり的な意味で。

まさカルみりドレも、みりカルまさドレもそれぞれの良さがあるけれど、私は前者派です。
まさきさんの陽のキラキラっぷりと、みりたんの仄暗い陰の魅力がそれぞれ活きていて。
ロミジュリもベルばらもだけど、みりたんの方が似合うと思われてたロミオなりオスカルなりが、蓋を開けたらまさきさんの方がハマってたっていうの、面白いよね……。

幸い良いお席で見させていただけて、プロローグでまさきさんが客席降りしたときに薔薇の香水の香りがしたり、間近で見るともっとキラキラだったりしたの、幸せな思い出です。

この公演で私が泣かされたのはすーさんのマロン・グラッセ
大抵、専科生とか管理職クラスのベテラン女役が演るこの役を、すーさんは歴代で何番目かに入る若さで演じたんではなかろうか。
それはそれは見事だった。
アンドレが階段を降りる練習をするシーンでも、オスカルの髪をとかすシーンでも泣いた。
マロン・グラッセにこんなに泣かされたのは後にも先にもない。
たぶん、まさきさん・みりたん、それぞれを下級生の頃からずっと近くで見守ってきた、その情が上手いこと役とリンクしたんだろう。
心の震え・深い人情と、それを同じ力で押しとどめる強い義理の葛藤がこちらにはっきりと伝わってきた。

もともと実力派上級生が好きで、ロミジュリでのインパクトある母役を見ていたので、すーさんのことは意識していたのだけど、彼女が「好きなタカラジェンヌ」になったのは、この公演、この役がきっかけだったなぁ。