ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

星組『バビロン』

宝塚もショーも超え、幻想を観ているような。
うたかた、美しい蜃気楼が眼の前に立ち現れ、1時間きっかりで消えてしまったような。

オギーのショー、実は全体を通して観るのは初めて。
宝塚のいいところ・タカラジェンヌならではの魅力を活かしつつ、宝塚・宝塚のショーという枠に囚われない、自由さ・新しさがあり、本当に逸材だったのだなぁと……。
構成も面白いよね、大階段がオープニングにも出てきたり、場面同士が流れるようにつながってたり。

人材の適材適所ぶりも、聞き及んでいた通り。
ちえうめがめっちゃ推されててしょっちゅう出てきてて、ちえさんは得意のエネルギッシュなダンスを披露していたり。(そして歌は歌わない)
ショースター・ガイチさんの陽性の歌声は明るい場面で使い、ダークな場面ではとうこさんの歌声を使ったり。
シビさんの使い方も巧み! シビさんってブルースの歌い方するから、宝塚の演目の中だと浮きがちだと思うんだけど、ちゃんとブルースの必然性があるところで使ってる。
これはオギーがもし劇団に残ってたとしても、再演できないわ……。

マヤさんが出てきたのには驚きました。
名前のテロップが出る前、アップになって顔が見える前から
「あっ、マヤさんだ」
ってわかるのがすごい。
佇まいがマヤさん、なのかなぁ。

そして何より、耽美で端正なこの作品の中心、頂点に君臨するたーあき!
タータンってやっぱり雪の匂いが強くて、端正よね。
それに寄り添いつつ、芯の強さを感じさせる、あきさんのしなやかな美しさ!
古い洋画に出てくるカップルみたい。
ダンディな男とエレガントな女。

個人的瞬間風速シーンは、
「わー、この真ん中の娘役さんめっちゃきれい!!」
って思ったらとよこさんだったところです。