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ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

花組『TAKARAZUKA∞夢眩』

サイトー先生は理知的で理論的で、作品の構想もかなり理詰めで進められる印象なんだけど、なぜか出来上がったものは"盛りすぎ"なんだよなぁw
しかしサイトー先生のことだから、そのアンバランスさすら計算され尽くしたバランスなのかもしれない……。

アニバーサリーイヤーということで、各ショー演出家が「宝塚」をテーマにすることを強いられた2015年。
おかげでまゆえりは、通例のサヨナラ公演のようにトップのキャラクターを前面に出したコンセプト・タイトルではなく、「タカラヅカ」を前面に出したショーで卒業となった。
これが少し口惜しいところ。
2人とも見事なショーに仕上げてたから良いんだけどね!!!

さて、盛りすぎに定評のあるサイトー先生が「宝塚」をテーマに作ったショーは、革新と伝統のハーフ&ハーフだった。

大抵のショーは、そのどちらかに重点を置き、前者の比重が大きいものはショー、後者の比重が大きいものはレビューと呼び分けられることもある。
だが、革新と伝統はどちらも「宝塚」の「実」かつ目指す道であり、どちらかを欠いたら「宝塚」ではなくなってしまう。

サイトー先生は「両方載せ」を選択した。
これ故このショーは、中詰を境に、違う演出家の作品かのように色合いが変わる。
一つのショーとしてのテーマの統一性に欠けていて、作品として成功とは言い難いと思うが、「両方載せ」を選択したサイトー先生のチャレンジ精神、そして「宝塚」への誠実さを、私は高く評価している。

難易度の高いショーをやりきった花組生の姿にも感銘を受けたし、バケーションのシーンは皆可愛かったw
何より、難易度の高いシーンでもいきいきと皆を先導し、後半のクラシカルなターンでは美しい男役芸の究極を見せた蘭寿さんの「器の大きさ」を際立たせるショーだった。
サイトー先生も、真ん中が蘭寿さんだからこそチャレンジできた部分が大きいと思う。

そしてそれを経たからこそのラ・エスメラルダであり、フリューゲルなのだろうなぁとも思うのです。