ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

花組『MIND TRAVELLER』

「海馬の帝王」の曲だけ先に知ってて、実際に劇中でどんな使われ方してたのかなーって見たいだけだったのですが……。
日本ミュージカルの帝王・イケコの、今やあまり知られていない青い側面を見てしまった……。

記憶を失った主人公が世界征服を企む巨悪(ってことにしたかったのだろうけどなんかちょっと小規模)に挑む、SFテイストのサスペンス。

あらすじだけ見るとちょっと正塚作品ぽい?
けど、正塚作品って完全な悪者、根っからの悪いやつってのがあんまりいないんだよな。
悪役であってもなんだか人間くさくて、惨めさ・同情しちゃうようなところがある。

けどイケコ作品、というかたぶんイケコには「悪者」が必要。
男の子的というか、ヒーロー志向が強いのかもしれない。
アメリカ映画っぽいのかな。
だからこそイケコの潤色作品ってわかりやすいし、ダイナミックな舞台構成とシンプルな物語展開を迷いなくできるし、ヒットメーカーになりえたんだろうな。

『MIND TRAVELLER』もどことなくゼロ年代のアメリカ映画っぽい。
音楽もクールだし、DC作品だけどセットの展開も面白くて流石。

けどいかんせん何かどこか……。
悪役の「深み」が足らないのだよなー……!
「悪役」を描くの、あまり興味がないのかなって思った。
「悪者」はあくまで「正義の味方」を「正義の味方」たらしめるためだけに必要だから登場させてる、というような。
「悪の輝き」こそが物語に深みを感じさせるというのがわかっていないような……!

「自分が描きたいものだけ描いてる」感じがあるので、厨二病っぽさ、オタクっぽさが否めない作品になってしまっているように思う。
小柳先生がイケコの愛弟子っていうの、これ見てすごーーーく納得した。
小柳先生はその芸風が良い方に転じたし、イケコがオリジナル作品を手がけることはもう無いだろうから、良いっちゃ良いのだけど。

あ、海馬の帝王は単品で見てもおもろかったですが、劇中で見てもやっぱりおもろかったです。
ニコニコのコメントにあったツッコミだけど、海馬は乗り物じゃありませんwwwww

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