ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

月組『PUCK』龍ver

なんてキュートでハッピーなミュージカル。
しかもそれだけじゃなくて、世の中の醜さ・残酷さがちゃんと描かれていて、それを乗り越える登場人物たちの「強さ」に励まされる。

イケコは本当にミュージカルを愛しているんだなぁ、としみじみ感じた。
パックちゃん生誕シーンや、登場人物たちの成長を描くシーンで、あふれるように流れ続けるナンバーと、大人数で繰り広げられるダンス。
しっとりしたラストシーンも、叙情的で胸に残る。おでここつん。

物語が展開していくのも、1幕ものだけど慌ただしくなくて、場面転換や時間経過の演出が作品のアクセントになっててワクワクするもんなぁ。
大きな箱での「見せ方」を熟知しているよね。
お稽古のときも、イケコの頭の中では完成しているのを、誰かが翻訳して組子たちに伝えてるって聞いたことあるな……。

再演とは思えないほど、出演者たちそれぞれに役が合っていたのもすごかった。
個性豊かな今の月組だからこそ再演できたというのが大きいんだろうなぁ。
もちろん、キュートでキラキラしていて歌の好手のまさきさんが真ん中だからこそ。
可愛かったね……。「男役とは」ってみんななってたね……。
そしてマギーさんは人に非ざるものを演じさせたら今の劇団でピカイチだと思う。
ナイトメア様しかり、オベロン様しかり、フリューゲル様しかり。

再演でこれほどなのだから、初演は相当すごかったんだろうなぁ。
好きっていう人すごく多いもんね、伝説の作品だよね。
見てみたいなー、スカステでまたやってくれないだろうか。