ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

雪組『前田慶次』

えりあゆまつのサヨナラ公演という思い入れもあるけれど、純粋に作品としてクオリティが高いなぁ……としみじみ思う。
このクオリティを毎公演紡ぎ上げられる大野先生は本当にすごい方だよな……。
マニアックにみっちりと、キャラクター一人ひとりのドラマを考えているところが好き。
一方で作品全体のバランスも上手く取れているし。
最近は起用頻度も上がっていて嬉しい限りです。

えりたんって見得を切れる、大劇場の時代物の真ん中でどどーんとセンターを張れるスターなのだよな。
その「どどーん」が余すこと無く活かされた題材&演出で、大野先生の愛を感じたな〜。
タカラジェンヌ壮一帆のことを心からリスペクトしてたんだろうなぁって思う。
「壮くんならここでこれ級の光を放ってくれる」
って信頼して演出してるのが伝わるんだよね。
で、その舞台で、恐らく想定以上の光を放って見せたえりたん。
どの作品もなのだけど、この作品は特に、主演と演出家との意識のキャッチボール、コンビネーションを感じた。

金キラ比率が高かったのも良かったよね。
えりたん、漆黒に金! っていうの似合うと思うの。
総じて衣装が豪華なのが良かった。
大野先生のおかげで、日本もののお衣装のストックがまた増えつつある気がする。
(昔の日本もののお衣装は、何かの天災で水没してダメになってしまったらしい。)

あと松風!
松風乗り回してるえりたん本当に楽しそうだった。
大野先生があの笑顔をもっと見せたくて場面を書き足した、ってのすごく納得したしありがたかった。
本物の慶次も、本人が楽しんで、そのことが周りを楽しませるような、そういう人だったんだろうなーと思わされるくらい。
うーん、やっぱり前田慶次という題材が絶妙すぎるぞ、と。

城先生の音楽も「大いなるマンネリ」と言われはするものの、やっぱりドラマチック&メロディアスで素敵だったし、歌詞も好き……。
いずれ散るが定めなら花のごとく潔く、って、タカラジェンヌ壮一帆の生き様まさに、だけど、タカラジェンヌ全員にも当てはまることだよね。

なんだか大野先生のことばかり書いてしまった……。ファンです。
えりたん主演で大野先生の新作が見られたこの身を幸いに思う。