星組『天使のはしご』
原作『高慢と偏見』が大ッ好きなんですよ。
キーラ・ナイトレイ主演の映画版『プライドと偏見』も大好きです。
おまけに主演がとよこさんだなんて。
私とよこさんの男役舞台化粧姿、本当ーーーーに好きなんですよ。
んもう、絶対良いに決まってるじゃないですか。
ええ、すごく良かったです。
鈴木先生、キャストの皆さん、ありがとう。
なんで今まで観ていなかったのか。
観ていなかったことを悔やんだスカステ録画は初めてです。
『高慢と偏見』も『プライドと偏見』も、主人公はエリザベスです。
そう、この作品の主人公は女性側なんです。
既存の女性向け作品を宝塚化するとき生じる壁、「男性キャラの主役化」。
この作品は、原作の良さを一切損なうことなく、主人公をダーシーに……
というか、ダーシーとエリザベスのW主演のような形でアレンジしていました。
エリザベスの存在感を薄めず「動のヒロイン」としたことが勝因かと。
「静の主役」であるダーシーと良い対比になって、
2人が中心となって作品全体にメリハリが生まれていました。
そして、それを成立させる「強さ」と「娘役らしさ」を兼ね備えたはるこが
この役にキャスティングされたということが神がかり的に素晴らしい。
エリザベスが主役版の原作・映画版では
ダーシーが恋心を抱く経緯が一切描かれていないため、
雷雨の中の告白がめちゃくちゃ唐突なのですが、この宝塚版では
ダーシーが徐々に徐々に心惹かれていく過程が描かれているため、
原作・映画より違和感なく2人の感情の流れに乗れるかも。
原作(ストーリー)付きの鈴木先生は強いですね。
ダンスシーンの使い方も宝塚的で華やかだし、音楽も良い。
コメディセンスがいまひとつなのは植Gゆずりかな……。
一時期、完全に後継者として育成してた感じなのに、何があったんだろう。
もうすっかり生田くんが後継者候補という感じだ。すみません余談でした。
登場人物が多いから出演者も無駄遣いされてないし、
これ、再演されるべきなのでは……?
バウで再演ってあんまり無いけどさ……。
フィナーレは星組さんらしく強くて華やかでした。
男役群舞で一番キレが良くて、反り返りが深いともみんが素敵だった。
本編でもうるうるしてたのに、千秋楽映像だったので
組替え者とじゅんこさんの挨拶があって、またうるうるするという。
ともみんの「皆さんと一緒に星組の公演を観られる」という言葉に、
あぁ、なんて素晴らしい方を雪組に送り出してくださったんだ……と感動。