花組『ベルサイユのばら アンドレ編』新人公演(だいもん)
何回目かの鑑賞で、そして演者が変わることでやっとわかったんだけど(遅い)、これまさに「アンドレ編」であって、アンドレが抱えてきた熱情の物語なんだね。
だから軸はオスカル→アンドレの想いなんだけど、そうしちゃうとロザリーもアントワネットも出さない方が筋としてまとまるから、娘1の出番が無いなーってんで、無理やり捏造したヒロインがマリーズなんですね。
……って、余計話の筋ゴチャっとるがな!!! 娘1にオスカルやらせれば良いでしょーーオスカル!!!
みんなトップ娘役やってるくらい能力のある役者さんなんだからできるよオスカル!!!
そうじゃなかったら「オスカルとロザリー編」をやれ!! ロザリーとオスカルの出会いから「オスカル様はなぜ女性なの」「私が本当の男だったら」のくだりをやってくれよ!!! 観客総うっとりだから!!
私の話がそれた。
だいもんオスカル、あまちゃきマリーズ、がりんちゃんオスカルの新人公演です。
まーこの頃からだいもんは歌が上手い!
びっくりしてしまう!
新公学年でこのクオリティだなんて……。
そしてアンドレに欠かせない、翳と情熱、燃え上がる熱を持った暗さ。
これをだいもんは元々の持ち味として全部兼ね備えている。
あるいは、こういう役を通して、ひきだしとして身に付けた。
これ見て確信したけれど、まとぶん本役の新人公演主演を経験したことが、今のだいもんの熱さ・翳を培ったんですね。
えりたんとはまた違ったベクトルのアンドレ役者なんですね。
植爺がまたアンドレ演らせたくなった理由がわかったわ。
アンドレ真ん中のバスティーユダンス見て、だいもんがトップになったらまたベルばらアンドレ編やってくれないかなぁって一瞬思っちゃったから!
思っちゃっただけだから、実現してくれなくて全然良いけどね!?
どう転んでもイヤな女&根と業が深い女のマリーズ、あやねちゃんもあまちゃきもよくぞ演じきった……。
これ本当、あやねちゃんやあまちゃきの愛らしさが無いとどうしようもない役&脚本ですよ……。
ブイエ将軍がえらく良い人になっていて、原作者が原案協力してるはずなのにキャラ崩壊してるしな。
あと清くも美しくもないけれど正しいと思っている感想としては、妻を亡くしたばかりで身分と金はある中年男性が、妙齢の女性を養女に迎えるだなんて、そういう目的としか思えない。です。
がりんちゃんオスカルは言うまでもない可愛さ美しさですわ……。
本役みわっち、新人公演がりんちゃんとか、ここがこの世の楽園か……。
俯いて何かをこらえるような表情が似合う、困らせたくなっちゃうオスカル様ですね。
実際苦しむシーンの多いオスカルなのだ、この脚本は。
べーちゃんの少年時代アンドレが可愛い&だいもんアンドレに成長するのが納得できる顔の似方だったり、アルマンがあきらでナイスキャスティングー!!! と登場だけでスタオベしそうになったり、衛兵隊のマイティにもう歌のパートがあったり、タソが既に目立つポジションで使われていたり、イブ様にも新公学年時代があったんだ!? と驚愕したり、現在大活躍中の中堅~上級生花組子が既に才能と個性を発揮させているのが見られて、そういう意味での見どころはすごく多かったです。
私は詳しくないが、休演者も多かったらしく、この脚本とその状況を乗り越えるの、さぞ大変だったろうに……と思いを馳せずにはいられない。
健康にフォーカスを当てすぎるあまり、挨拶がだんだん迷子になっていくだいもんも、不謹慎だけど愛おしい。
けどこういうの乗り越えて、近い学年同士仲間意識を深めて、本公演で支えあいながら一つの作品を創っていく関係性を培っていくんだね……と妙な感慨。