ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

悠未ひろDS『Héroe』

DSって主演者の魅力のプレゼンという側面もあると思うんだけど、このDSは、ことその度合いが強い気がする。
徹底してクサく色濃くて、やりすぎちゃうあまりちょっと面白いw
全シーンがそんな感じなの。

娘役メンバーが伶美うらら氏で、ともちんの濃さと丁度良く釣り合うんだ、また。
黒髪ボブウィッグにチャイナに黒ファー巻いて出てきたときはどうしようかと思ったよね……。
けどそのくらい「やりすぎ」じゃないと、ともちんの「やりすぎ」とバランスが取れないんだよなw

それを言ったら、演出も「やりすぎ」感に定評のあるサイトー先生じゃないとダメだったのかもしれない。
他の演出家の先生じゃ、このともちんの過剰さ、濃さを持て余しちゃった気がする。
2人仲良かったしねw

あと他のDSに比べてMC少ない気がした。
それだけたくさんやりたいこと、歌いたい曲があったのかなぁって思ってる。
編集で割愛されただけかもしれないけどw←

メンバーが全員生粋の宙組生っていうセレクトが、またふるっていた。
それも「宙組らしさ」の強い子たちが選ばれていたように思う。
5人だけだけど、「宙組」を凝縮したような。

「ミスター宙組」と称されたともちんが真ん中だったことで、その色合いはより強まる。
宙組が立ち上がって最初の組配属生だったともちん。
入れ替わり立ち代わりが激しい宙組にあって、貴重な生え抜きスター。
彼女のタカラジェンヌ人生は、そのまま宙組の歴史でもある。

ともちんのDSなので、ともちんの魅力をプレゼンすることがもちろん主目的だけれど、それが自ずと宙組の魅力をプレゼンすることにもなっていた。
男役としてこんなに魅力的で、だけど素顔は純でキュートでちょっと不器用なところも可愛いスターを、育て上げた組なんですよ、と。

スターの宝塚と組への、観客と演出家のスターへの、愛が満ち溢れている。
間違いなくここ数年のDSの中で、それらの思いが一番濃く詰まった公演だと思う。