雪組『ルパンIII世』
結局劇場では観なかったのだよなぁ。
今やってるるろ剣も観られなそうだし、ちぎみゆの2.5次元にはご縁が薄いのかもしれない。
伯爵令嬢は観たけれど。
春の雪もラスタイもシェイクスピアも観ているので、いくたんとはご縁があるのかもしれないな……?
さてルパンIII世。
すっげぇーーーな、これ!!!
小柳センセーのすごさとちぎちゃんのすごさがコンボしてる。
リアルタイムでいろんな人が絶賛してたけど、ちぎちゃんの絶妙な「ルパン加減」がすごい。
表情筋の使い方とか、独特の喋り方とかガニ股歩きとか、確かにルパンIII世の特徴を出しているんだが、あくまで美形であくまでスマート、あくまで「宝塚の男役」であることを崩さない。
ルパンの特徴はそのままに、ルパンのスマートなところ、格好いいところだけ過剰に強調した感じ。
すごく美化したルパン?ww
そして演出。
ルパンたちが上手下手、花道銀橋、縦横無尽に走り回る動きと構図が、アニメそのまんま。
中でも革命政府軍を出し抜くドタバタの乱闘シーンの再現率は劇団史に語り継いで良いほど。
たぶん歴代のいろんなルパンを観まくって研究し抜いて、「ルパンのアニメっぽく見える」最大公約数の「動き」「構図」を見つけだしたんだろうなー。
誤解されがちだけど、小柳センセーはそういうとこすごくクレバーで、計算的にやるよね。
ベルばらとスカピンパロを、元ネタを知らない人が観ても不自然じゃない程度に織り込んだのもお見事。
「宝塚」の過去作・伝統への畏敬を示し、かつ、ルパンIII世の世界を「宝塚」と融合させていた。
余談だけど、乱闘中に彩彩の次元五エ門が背中合わせになるところは、胸がジーンと熱くなった。
背中をあずけられるのは全幅の信頼のしるしなのだ。
物語も小柳センセーらしく、ライトでハートウォーミングで、初宝塚にオススメの一本ですね。
特にジュゼッペちゃんことカリオストロ伯爵が、世を拗ねた詐欺師から伝説的錬金術士になった過程はウルウルもの。
はぐれていた200年間、自主稽古を積み重ねたんだね……。
普通の人間が過ごすには気が遠くなるその期間を支えたのは、ルパンたちと過ごしたあの短いけど濃密な日々だったのだろう。
足りなかったのは情熱と自信だったのだ……。
みゆアントワネットは何をか言わんやの見事さ!
鈴を転がす澄んだ声、純真無垢な持ち味が、「無知で無邪気な王妃」マリー・アントワネット像とばっちりマッチしていた。
「みゆでアントワネットが観たい、けどベルばらはもうごめんだ……!」
というジレンマが解消されたしw、ヅカ友の言葉を借りれば
「ヅカファンたちのマリー・アントワネットに関するトラウマを取り去ってくれた」。
余談だけど、金髪巻き毛長髪のかつらをかぶったかなとくんがえりたんに見えて、血が濃いなぁ……と思いました。
私はかなとくん主演の心中・恋の大和路も観たいのだよ。
余談の余談だけど、ちぎちゃんが今度DSやるとしたら、ルパンIII世のテーマも歌ってくれるんだろうなぁ、と思いました。
「そばかす」ももしかかしたら……w