ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

夢咲ねねMS『N-Style』

夢咲ねねという才能。

何をし、何をまとい、何を演じていても、可愛く美しく、華やか。

 

ねね様を真ん中にするのなら、「美」にフィーチャーすることも、「艶」にフィーチャーすることもできたと思う。

けど、やっぱり彼女の魅力の中心は多面的な可愛さで、ピンクダイヤモンドみたいなそれを見抜いて『めぐり会いはふたたび』で世に知らしめたのは小柳センセーで、たぶん誰よりもその輝きを強く見ていたのは小柳センセーの目だったと思うから、彼女にとって宝塚で最初で最後の主演作の担当は、小柳センセーであるべきだったんだろうな。

 

小柳センセーお得意のお芝居仕立ての構成。

イケていない、けれど美しくなる素質を持つ女の子が、ポコちゃん・琴ちゃん・せおっち演じる「ナイスガイズ」にプロデュースされ、素敵なレディに磨かれる。

こういう、宝塚人生と重ねるのニクいよね~!

下級生時代からきれいで目を引いてたけどね、ねね様は……。

 

今までヒロインを演じてきた作品の楽曲や、歌ってみたかったというミーマイ・うたかたの曲を、小芝居を交えながら。

ねね様が本当に楽しそうだし、楽しそうなねね様を見つめる下級生男子たちが心底嬉しそうw

みんなちょろまかされてしまって……。

しかし遠い客席や画面越しにすらこれだけ可愛さを感じるんだから、直接接してたらメロメロになっちゃうんだろうな~……。

 

ラスト、セ・マニフィークからのBarbie Girlという構成はふるっているなぁ。

「カッコよくて強い大人の女」としてのねね様を象徴するセ・マニフィークと、シニカルなまでに「可愛いお人形」を強調したBarbie Girl。

曲調もメッセージも真逆だけれど、この多面性がねね様の魅力、なのだ。

 

しかしBarbie Girlを公演イメージのメインに持ってくるっての、考えれば考えるほど穿ってしまう。

保守的な男女観が生き続けている宝塚、その価値観をことさらに強く演じて印象づけたちえねね、「男ウケする女の子像」のカリスマ的存在だったねね様、という点を考え合わせると。

まぁそこまで深くは考えてないだろうし、考えてたらこの曲採用しないだろうけど……。

【和訳】Barbie Girl バービー人形に訴えられた曲|ミスター洋楽のブログ