雪組『追憶のバルセロナ』
なんか緩急悪いんだけど、やっぱりこれもラストシーン最高! ってなるんだよな~!
きちんとぶんまひる相思相愛ハッピーエンドだしね?
サヨナラ公演としてとても望ましい終わり方だ。
いやフランスへの抵抗運動始めるぞ! っていうところで終わるからこれから大変なこといろいろあるんだろうな~という含みがある終わり方だけど、ラブストーリーとしては!
元カノとなみもおっちょんと幸せになれそうだし、全方位丸く収まっていて良いんではないでしょうか。
緩急の悪さについて言うと、とりあえずダンスナンバーが長いな?
やはり正塚先生はショー作家の夢を諦めきれていないのだな……と思わされることが多々あるんだが、この作品はそれを特に強く感じるもののひとつ……。
まぁね! コムさんのダンスカッコいいしね! せっかくスペインを舞台にジプシーを題材に作品創れたんだからね! やっちゃうよね!??
あと「~1年後~」っていう時間経過があるのがな……難しいよね……。
どうしても宝塚の1幕もののお芝居って、『愛短』の4日間とまでは言わないけれど、ある程度限られた期間のエピソードを切り取った方がバシッと話がまとまって、観てるこっちも集中しやすいのかな。
正塚作品の好きなところは、男女の仲が段階を経てじわじわ深まっていく「馴れ初め」のリアリティなんだけど、それがじわじわペースすぎて間延びして感じてしまうことがあるのだよな。
なぜか1幕ものだと特に。なぜだ。2幕ものの方が物理的所要時間は長いのに。
けどその分、「愛ゆえに」起こす行動に説得力があるので好きです(結局)
「生きてさえいれば」って台詞が序盤から重ねられて、そこのポリシーぶれないのはやっぱすごいし良いし好きだなって思いました。
正塚作品って人生讃歌で生命讃歌なのだよ。
生きてさえいれば旧友とも再会できるし旧友も救出できるし旧友と幸せになった元カノも見送ることができるし今カノと満面の笑みで手を取り合って見つめ合うこともできるんだ!! よ!!!
いやほんとラストシーンのぶんまひるが幸せそうすぎて可愛すぎて美しすぎてつらい。
あまりの幸福の具現化っぷりに声出た。
なんか……ぶんまひる、不遇の人事だったけど、このラストシーンがあって良かったな……って……。
はーしかしおっちょんがカッコいい。
おっちょんおっちょん。
カッコよすぎてため息漏れまくりんぐですわ……。
おっちょんにとってもサヨナラ作品ってことで何かと美味しい役どころだし。
はたから見ると母国を裏切ったり親友を裏切ったりしなきゃいけない難しい役どころだけど、そこに至るまでの決断の経緯が伝わる上手い演技だし線が細くて翳がある持ち味にも合っていた……。
ありがとう正塚先生……(結局)