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ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

月組『黒い瞳』初演

珍しく主演コンビがどちらも死なない柴田作品!(原作付きだから)

ハッピーエンドの印象が強かったんだけど、改めて見てみたらプガチョフの大将含め、たくさん人間が死んでいて、やはり柴田作品……と思うた。

 

柴田作品における死のすごいところは、物語上の必然性はありながら、死ぬ理由が不可避ではない、つまり死ななくても済んだかもしれないキャラクターが死んでいくところだなぁ。

プガチョフたちコサックの陣営に加わったじゅりさんが、マミさんニコライを銃殺せずに剣での決闘を挑み、呆気無く敗れたのを見て思うたよ。

 

かなり長大で入り組んだ話(起承転結が3~4組くらい含まれてる)にもかかわらずテンポ良くポンポンと観られるのは、演出の技量だなぁ。

語り部役の愛・勇気・祈りが査問会の裁判官も演じ、シーンが終わったらすぐに語り部に戻るところとか、エカテリーナがマーシャの直訴を聴いてからニコライを釈放するまでを照明の切り替えだけで表現してるところとか、演劇ならではのテクニックが活用されている。

 

配役も絶妙。

やはりそこは流石初演、この人たちのために書かれた役・脚本だったんだな……と感じ入る。

マミさんってちょっとワルっぽい男役っていうイメージがあったんだけど、明るい持ち味が、おぼっちゃま育ちで嫌味のないニコライに合っていた。

 

プガチョフのリカさんは本当にすんごいな……! 圧倒的存在感。

ヒゲにボロをまとっているときは言わずもがな、皇帝を名乗り、身を飾るようになっても漏れでてしまう土の匂い。

未涼パイセンは持って生まれた何を演っても崩れない気品がどうしてもあったからな……。

どなたかが「まがいものの皇帝に見えない、本物にしか思えない」って言ってて、首肯せざるをえなかった。

 

「踊れる娘1」花風舞氏も圧巻!

オープニングの雪の精ダンスは言わずもがな、中盤のニコライを助けに行くときの吹雪ダンスも見応えすごかった。(あのシーンの演出もスキ)

歌も上手いし見た目もお芝居も可憐で、すごい娘役さんがいたんだなー……としみじみ。

 

あとやっぱり大劇場公演のセット規模&人数だと迫力ありますね。

大勢口のシーンが多い&印象的な作品なので、余計に。

そんなところも、雪全ツとは違った良さを感じました。