ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

宙組『エクスカリバー』

この、まっすぐまっすぐ、王子様は悪者を倒しお姫様と幸せになりました、っていう揺るぎないシンプルで力強い勧善懲悪の物語がイケコらしさだし、大劇場の1幕ものお芝居にも丁度良いボリュームなのだよなぁ。
ここにあとはやたら壮大な音楽と、大勢口の革命シーンなり戦闘シーンなりを入れれば良い。

おまけに題材がエクスカリバーですしね。
フランス系のサクソン人の支配を受けていたブリタニア=イギリスが、国を自分たちの手に取り戻すお話です。

ここにサクソン人の視点だとか、ブリタニア人の蛮行が……みたいな疑念を差し挟まないところが、イケコのイケコたるところなんだよなぁ。
「イケコはオタクじゃないんだね」
って言い得て妙で、この作品もその裏付けのひとつと言えそう。

すごくきっちり定石通りに作られ構成されているので、とてもわかりやすいし定石通りに面白い。
中世のコスチュームもファンタジックで素敵ですね!

「まっすぐさ」がよく似合うずんこさんと、男たちが奪い合うのも大納得のおハナ様の美しさ。
おハナ様、この時代この地域のドレスめっちゃ似合う!!!!
カイ・ニールセンの挿絵から出てきたかと思うたよ!!

わたるさんはこの作品でも語り部なんだな……。
「でも」ってルキーニしか知らないけど、なんとなく「語り部ジェンヌ」っているじゃないですか……。
存在感が強烈すぎて次元が0.5〜1くらい観客寄りになる方たち……。

この作品でおハナ様をめぐってずんこさんと争う役だったたかこさんが、結局おハナ様を一番長く独占して、最後の相手役になったってのも因縁を感じますね。

すっしぃさんがまだ管理職じゃなくて、それどころかサブ路線みたいなポジションなの驚く。
今でいう月組のとしちゃんみたいなポジション?
中堅で、ダンスリーダーで、ねぇ。

あとやっぱり主題歌。
歌い継がれているだけあって素晴らしいな。
またずんこさんのまっすぐ晴れ渡るような歌声によく合ってるんだ。
この方の、この組のために生み出された曲なんだなぁとよくわかる。