ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

雪組『ノバ・ボサ・ノバ』99イシグン

こ、こんなに気品のある香り高いノバボサがあったのか……!

 
雪組なので(「なので」って当然のように言っちゃうけど「なので」なのだ)、美貌の気品・端正さがすごい。
どんだけラテンでオラオラやっても、絶対に崩れない品の良さ、美しさがあるもんなー。
作品そのものが色濃いインパクト持ってるけど、その中でも「真ん中の人」や出演者の色はやはり出てくるものなのだなぁ。
 
ほんとこの時代の雪組すんげーな。
スター混み合いまくりのイシグンタータン汐風とうコムおっちょんかしちゃんという出演者陣で、脇を五峰姐さんと美穂様が固めている時代の雪組です。
ですがノバボサなので路線スター各位それぞれに見せ場がありますし、皆さま実力派なのでストレス無く見られます。良い演目。
 
個人的にもイシグン政権はとても好きな時代です。ナマで見てないけど!
単に真ん中の方が好きというだけでなく、私が宝塚を知ったとき既に孤高のスターだったイシさんに最高の相手役がいた尊さと、雪組子がイシさんにエネルギーを集中してる一体感と、上述した好きなスター様たちが一度に見られる喜びがあります。
 
私はイシさんの、重心が下半身にどっしり据えられてる感じの踊り方と歌い方が好きなのだ~。
やはり日本舞踊が彼女のOSとなっているのを感じる。
えりたんも下半身重心型だったな……下半身重心のトップスターに弱いのか……。
好きなイシさんの歌い方でノバ・ボサ・ノバの名曲の数々を聴けて嬉しい。
情熱と愛惜が宿った、まさにラテンの世界観を体現したような歌声だと思っているのですが、どうか。
 
男役のフロンティアを拡大しつづける今のイシさんも好きだけど、この頃の「触れなば斬れん」みたいな冷たいエロスと殺気を放つ青い美しさのイシさんも素晴らしいわ……。
 
そして同じくらい美しいイシグンの並びはやはり至上の美。
鼻筋の明瞭さ、美しさが同じなんだよな。
そして憂いを帯びた瞳。悲恋モノに定評があったのも致し方無し……。
容姿の相性が良いコンビを私の周囲で「出版社が同じ」<「掲載誌が同じ」<「画風が同じ」<「作者が同じ」とかって言い習わしてるんだけど、イシグンに関しては「彫刻家が同じ」だわ……。
神が天上で彫り出し地上で再会せしめた奇跡のカップル……。
性格のバランスも持ち味の相性も抜群なんだぜ、信じられるか?
 
意外なコンビで意外な演目を観られて、それが予想外にハマっていて面白かったので、これ見て私の中での「ノバ・ボサ・ノバ」のイメージが拡がりました。
今のトップコンビどの組でもできるんじゃない? と思うし、見たい。
月組なんて、まさおちゃんでもたま様でもそれぞれしっくり来そう。
 
とうコムおっちょんはやはり役替わりローテだったそうです……。
紅まかともみんのときと違って、ブリーザを演ってるんだな。
私が見たのはとうこブリーザだったけど、強く濃かった……。
おっちょんのメール夫人は美しすぎてヒョッとなりました。