ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

雪組『若き日の唄は忘れじ』えりあゆ全ツ

久しぶりに見返しましたが、やっぱり最高でした……(語彙)

 

私の中で印象として強いのは中日版なんですが(何せ生で3回観た)、中日の時に比べて文四郎少年が格段に可愛くて、歩みを止めない壮一帆、恐ろしい。

あゆっちも同じくで、2人とも少年少女時代が眩しいほど輝いていて、きゃぴきゃぴしていて、それによって大人になっていく過程での悲劇が際立つ……という……。

 

展開・結末を知って観るからというのもあるんですが、えりあゆのお芝居のメリハリがより付いたことで、

・夏祭りの夜の雷鳴によって少年・少女の日々が終わりを迎え

・ままならない状況を受け入れながら大人になり

・再会しても子どもの頃には戻れず

・しかし今生で最後の日に、ひととき、少年と少女に戻る

って流れがより印象深く見えてきて、物語の悲劇性が増します……つらい……えりあゆもつらいが話もつらい……。

 

まぁしかしえりあゆは上手いですね……。

今さら何を、なのは重々承知ですが、見るたび上手くてびっくりします。

こんだけ上手けりゃ、そりゃ悲恋演らせたくなっちゃうよなぁ……。

いや、もっとハッピーラブロマンスを観たかった気持ちにも偽りは無いんだけど!!


そしてこれ、全ツ版なので武部さんが未涼パイセンなんですね。

初めから終わりまで出てくる、黒い染みのような翳の人。

未涼パイセンのためにキャラクターを書き換えて生み出されたこの武部さんは、大野先生の大発明、だと思う。

出番の多い「悪役」が出来たことにより、ストーリーにメリハリが出来て、締まった印象になったように思う。

 

再演モノの可能性も拡げたのでは。

もしこの先『若き日』が再演されるとしたら、出演者に合わせて大関版・大野版のキャスティングが使い分けられるんだろうなぁ。

 

そういえば未涼パイセンは、心中・恋の大和路でも、レアケースの「最後の『この世にただひとつ』を歌う八右衛門」にもなってましたね。

うーん、こうして考えてみると改めてすごい存在だったのだな

 

あとこれまた今さら何を、だけど、雪組生全員お芝居上手くてびびるwwww

中日だとナガさんが演ってた役をニワさん、ニワさんが演ってた役をがおりが演ってて、実力派層の厚さを見せつけられる。

端役に至るまで、ちょっとした一言、脇芝居が上手くて、見応えはあるけど加減ができてて、真ん中を見てストーリーを追う邪魔にはならない。

 

すごいもの、良いものを見せていただいたのだなぁ……と、恵まれたファン生活だったことを再確認しました。