雪組『デパートメント・ストア』
久しぶりに観たな~。
一時期狂ったように観ていたからな……。
いや、今も許されるなら狂ったように観たいんだけど……。
えりあゆまつで再演してほしかったんだけど、叶わなかったので、ちぎみゆだいもんに望みをかけています!
観たくない? デパートの屋上でおせんべい分け合うちぎみゆとか、首カクカクさせるだいもんとか……。
場面をガラッと変える力のあるトリックスターがいて、しかもそれが男児ってのが、神話の類型をなぞっているようで、面白いというか興味深い設定だと思うんですが、どうでしょう。
正塚先生シルク・ドゥ・ソレイユお好きらしいし、そういう影響もあるのかなと思うのですけれど。
ヒップホップに持ってかれちゃって気づいてなかったんだけど、改めて観ると、ジャズが効果的に使われていて、お洒落だな&作者の趣味を感じるな。
掃除婦シビさんの歌なんて完全にジャズじゃんね。
これやりたくてシビさん出したんだな、たぶん。
もしかしてそういうジャズの時代のアメリカのデパートって設定なのか、これ!(遅い)
このショーはイシグンとても多い&可愛いのでありがたいです。
屋上のおもちゃの飛行機乗るところもだし、古き良きデパートのシーンで紺ストライプスーツ&どピンクドレスでガンガン踊るところも「幸せの形、それはイシグン」って感じだし。
南国のシーンで2人で銀橋で見つめ合うときのイシさんの視線すごく暖かくってヒョエ~~となる……。
やっぱり男役さんを男役たらしめるのって娘役さんなんだな……。
とうコムおっちょんも可愛いんじゃ~~~
ゾンビのところでも産業テロリストヒップホップのところでも活躍してるんだけど、古き良きデパートの回想シーンで俺たちイケメ~ン! ってやってるのがいっとう可愛いよ(´;ω;`)
おもちゃ売り場の人形たちが踊るシーンで中詰めってのも好きなんだけど、これでデパート再建の物語の流れが分断されちゃって、テーマがより一層わかりづらくなってるっつーのもあるんだろうな……。
そのすぐ後に愛と夢の曲が入って、店員たちが大切なものを見つけるんだけどね。
愛と夢の曲、正塚先生らしい良い歌詞だ……。
リニューアル後の曲、初めて意識して歌詞を聴きましたが(すみません)、前向きな詞が続いていてグッと来るな。
イマジネーション~ コミュニケーション~ サティスファクション~♪
ショー作品だけど、エネルギー&コミュニケーションという正塚作品の二大要素がガッと前面に出ていて、人生いろいろあるけれど良くしていこうというメッセージもこめられており、正塚ワールドの系譜に連なる作品としてカウントできると思うのだよな。
『男役の行方』では「異例の作品」として深く考察されてなくて、あの本にはお世話になってるけどそこだけがちょっ残念。
あと「あのドアを開けるまではカラフルな憧れを」っての、宝塚のメタファーだと思うんだよな。
正塚先生なりの宝塚へのリスペクトというか、ラブレターというか。うがちすぎでしょうか。