星組『赤と黒』とうあす
やっと観ることができましたー!
いやはや、野心むき出しで強引、目的のためなら手段を選ばない美少年というキャラクターが、とうこさんに似合うこと似合うこと!
とうこさんはマジ野心役者だ……とうこさんが野心を抱いていると、ムチャクチャなキャラクターでもきちんと成立する……エル・アルコンもだったよね……。
んでまた、とうこさんの歌声って陰の魅力、翳を帯びているので、柴田作品のマイナーコードの楽曲がすごく合う。
柴田作品の再演の中で、かなり高ランクに入るハマりっぷりなのでは……??
風と木の詩みたいな髪型に、ほぼ全お衣装フリルシャツなのも素敵です。
しかも人妻のあすかちんへの熱情に焦がれる美少年とうこさんって最&高なのでは……?? って話ですよ……。
あすかちん、しっとりした大人の女の色気があるから人妻似合うんですよね……。
デュエダンとかでもだけど、とうあすの絡みは本当に見応えがある!!
いや、いやらしい意味じゃなくて! いや、いやらしい意味なんだけど!!!
強引なとうこさんがあすかちんの手を握り、名前を呼び、唇を奪い、何不自由ない生活に(恐らく)倦んでいたあすかちんの心にときめきの火を放ってしまう。
道ならぬ恋に堕ちちゃったあすかちんの、湿度のある歌声がたまりません。
あすかちんルイーズのドレスが、貞淑な妻だった頃の水色から、とうこさんと愛を交わすときの夢のような少女のような白、そしてどピンクって変わっていくのもちゃんと考えられてるんでしょうね!!
柴田作品はすべての要素に意味が込められててすごいわ~、濃いわ~
かなりがっつりWヒロインものなんですね!
今より配役の自由度が高かった時代の作品なのかな……。
第2幕はほとんどあすかちん出てこないし、ねね様と事に及ぶし、びっくりしちゃったw
あすかちんルイーズのドンとした存在感もすごいんだけど、ねねちゃんマチルドもキャラが濃い。
テンション乱気流。
深窓の令嬢が小賢しいインテリになるとこんな感じなんだな……という妙なリアリティでちょっと我が身を省みる。ちょっとだけね。
ルイーズとの恋がお互いの「渇望」を埋め合うような感じだったのに対し、マチルドとの恋は完全に「吊り橋効果」。
お互いスリルを求めて手を出し合ったら、ドキドキがお互いへの感情と混ざって、夢中になっちゃった感じ。
たぶんこの2人、ジュリアンが生き延びても長くは続かなかったと思いますよ。
物語として美しく終わる、最善のプロットなんじゃないかなぁ。
2人のヒロインが真逆のタイプで、恋の落ち方も全然違うってのがまた良いですね……二度美味しいみたいな……。
なんだかんだとどっちの恋も報われてるのがジュリアン良かったねとなるニクいところ……。
「お前の中のナポレオンは元気か?」
の問に
「あぁ、元気だよ」
と答えた、彼の革命は、恋でなされたということなのかなぁ。