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ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

雪組『バロック千一夜』

何の前知識もなくタイトルだけで草野先生だろうなぁと思って見はじめたら、案の定草野先生でした。

大介先生の「!!」みたいなのではなく、こういう形でタイトルからして個性ブチかましてくるのって流石だよね。

才能だし、セルフ作品プロデュースだと思うわ。

 

衣装もセットも歌詞も凡人の理解を拒むブッ飛び方で、完全に置いてけぼりをくらいました。

バロックだからヨーロッパベースかなって思ってたんだけど、セットはバロックで、人物の衣装とか踊りは「千一夜」のアラビアテイストなんですよね。

で、とりあえず欧米でも極東でもない、ざっくりした「エキゾチックな世界」が出てくる。

なんだこの創作無国籍料理感。

 

最近、昔の草野ショーがマイブームなんですが、期待のだいぶ斜め上を行かれた感じです。

なんだよ「バロックは飛翔する命! 初めての恋!」って!

とはいえ草野先生の、完全に右脳で書いてるだろって歌詞、しんどい時に見ると妙にツボりますね。そうか、私、疲れてるのか……。

 

しかし一路さんの謎の説得力を持つ美声すごいな……。

アフリカの戦士みたいなトンチキなお衣装着てるたかこさんも、ちゃんと踊れてて逆に面白い。

なんか、どんだけトンチキなものに囲まれても、端正な美しさと実力を遺憾なく発揮する雪組の力を楽しむゲームみたいになっていく。

 

アフリカの料理の鉄人としてサイ、サソリ、トカゲ、ワニを料理させられるユー・トドロキとかね、面白いんだけど、完全にアフリカ舐めきってんだろってのがハラハラする。

いや、本人はアフリカ好きなんだろうけど、どうしても西欧的エキゾチシズムの中の、現象のアフリカなんだな……ってのがわかってしまってね。

しかしイシさん、黒塗りにコック服にバナナの首飾りってのが似合いすぎてやばい(語彙)。

悪ノリの良さだけでなく、黒塗り&アフリカネタが似合いすぎなのも、草野ショーとの妙な高相性の一因なんだろうな……。

 

できた料理を食べる貴婦人たちも、すげぇ可愛いから瞬時に判断できなかったけど、とうこさんが混ざってて女装だと気づいた。

トラ柄のダルマで娘役が踊るのとかも、悪夢っぽさすごいな。

さっきまで貴婦人だった人たちはイケメンに戻って黒タキシード着て出てくるんだけど、もはやこうなってくると黒タキシードの方に違和感を覚える。

「シャンペ~ン♪」とか言ってる場合じゃねーよ!!!

 

ガンジスの場面(いきなりインド来た)は、燃えるようなダンスが美しいですね。

草野先生、美への感性はちゃんとしてらっしゃると思うんだ……。

一路さんは現役時代から女装がおきれいね……。

相手役のイシさんもターバンめっちゃ似合う。

本当草野先生、イシさんに似合うものわかってすぎだから……。

しかしこの場面の曲、『運命』ですよね。バロックじゃなくてロマン派じゃねーか!!!

 

Africa Go Goの場面もふるっていたな……。

「アフリカの大地にバロックを求めさまよう」

って何だよ……。

バロックはヨーロッパの美術様式だよ……。

勝手に混ぜんじゃねーよ……。

 

アフリカンなロケットは新しいと思った。

やっぱりこういうの観ると、今の若手の先生たちもどんどん頭おかしいことやって、タカラヅカの限界を拡げていくべきって気になっちゃうから、草野先生はすごい。

ゼブラ柄の変わり燕尾で、謎のアフリカ語?を叫びながらの男役群舞もイカします。

曲はパッヘルベルのカノン。ちゃんとバロック音楽ですね。

 

全く理解できないながらもなんか感動してしまったんですが、なんでしょうこれは……。

コアなファンが多い作品なのもなんだか納得。

だんだんショーがおかしいのか私がおかしいのかわからなくなってきたので、気の狂いそうな夏の夜には最高だなと思いました。

 

おハナ様が全然出てこなかったんだけど、エンドロールのカット場面集? にはたくさんいたので、もしかしておハナ様が出てた場面ほとんど割愛されてたのかな?? って思ってる。どうなんでしょう。