月組『エドワード8世』
大体どの演出家の先生にも自作との相性が良い、いわゆる「ミューズ」がいるものだけど、大野先生の場合はきりやんとえりたんとみっ様が挙げられると思う。
『エドワード8世』、宝塚の中では比較的落ち着いた、悪く言えば地味な演目だと思うのだが、それが却ってきりやんのいぶし銀のような熟練職人芸と、まりもの真珠のような内奥からの艶を際立たせていた。
ほいでまた、きりやんは気品と風格はあるけど軽妙さのある「プリンス・チャーミング」が、まりもは姉御肌・鉄火肌でグラマラスアメリカンなウォリスがよく似合っていた。
「イギリスもので」という指定だけで、よくぞまぁこんなにバシッと来る題材を見つけてくるものだと思う……。
愛とセンスをめっちゃ感じる……。
まさきさんが狂言回しって配置も絶妙だなぁ。
画風少し違うもんね……w
役がとにかく多くて、もりえさん、みりたん、マギーさんそれぞれにも出番があって、それでも決してうるさくならず、作品全体のバランスを取れているのがすごいよなぁ。
そうか、大野先生はきりやんとえりたん2人のサヨナラ公演を担当したのか。