ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

花組『アパルトマン シネマ』

今やすっかり劇団の屋台骨を支えるショー作家となられた稲葉先生の、小劇場修行時代のお芝居作品。
最初しばらくは正塚作品と見間違えるほど、正塚DNA濃厚な作品w
La Esperanzaと、他にも何回か、正塚先生作品の新人公演担当してたんじゃなかったかな。

話の構成も雰囲気も、正塚先生っぽいです。
まず主人公が元殺し屋だしww
個々の小ストーリーが並行して進んでいく、同時進行のオムニバス作品みたいなやつ。
それが1つのホテルを舞台に繰り広げられる。

場面がホテルしかなくて、時系列だけが変化していくタイプの作品。
外部の小劇場作品だと割とあると思うのだけど、宝塚には意外と少ないよね。
そんなところも正塚先生作品っぽい。

なんとなく会話やコメディのシーンがこなれてなくて、
「あっこれ、正塚先生じゃない!」
って気づく感じwww

けど、演者一人ひとりの可愛さ、チャーミングさが活きていて、全体としてとても胸あたたまる、宝箱のような作品になっている。
ハートウォーミング作品ではないとは思うけどねw
オサさんはカッコいいし、まとぶんも可愛いし。

ド名作! って訳ではないかもしれないけれど、過不足ない、バランスの良い作品だと思います。
稲葉先生って、ひとりよがりでなく、知的に作品を構成していく力があるんだなーとわかる。
これが作れる方なら、そらショーの構成も上手いよなぁ、という。