雪組『愛燃える -呉王夫差-』
えりたんトップ就任のときの特集とかで、新公の方のラストシーンは何度か目に&耳にしていたんですが、本公演は初めて。
これも酒井先生作品だったんですね!
女官たちがわらわら出てきて陰口を叩くところとか、西施に横恋慕してた部下(かしち)が愛を吐露するところとか、絵面だけは植爺作品に似てるんだけど、台詞にきちんと感情&解釈が伴っていて、観ていてストレスにならないw
そして舞台・装置・大人数口の使い方が大胆。
イケコ演出じゃなくても、これだけダイナミックな舞台が創れる/創れたのだよなー。
イケコ依存しっぱなしの今の劇団にも、このことを見なおしてほしい……。
雪組子ズの中国ものメイクも新鮮。
コムかしとか、キャプション出るまで誰かわからなかったw
日本ものとは眉毛の描き方が違うんですよね。目もかな?
中国ものって少ないですよね。
これと『楊貴妃』と、あと『龍星』くらい? 『BUND/NEON上海』はさておき……。
もっと遡ればもっとあるとは思うけど。
せっかくお衣装もあるので(←)、もっとやりましょう??
ストーリーは傾城もの。
夫差が西施への愛ゆえに支配者としての道を誤り、腹心の部下たちすら疑って手に掛け、孤立して国ごと滅んでいく訳なのですが、夫差と西施それぞれが抱えるそれまでの孤独、西施の気高くも愛らしい魅力がきちんと演じられているので、
「私は国を掛けて貴女を愛したのだ!」
という、支配者が一番言っちゃあかんだろそれ! という台詞にも、実感と説得力がこもります。言っちゃあかんやつだけど。
イシさんの雪組トップとしての最後の公演&グン様のサヨナラ公演。
ラスト、西施が先に斬られて、夫差独りだけがセリ盆に上がって炎に包まれるのが、卒業するグン様&劇団に留まるイシさんを象徴しているようで辛かった……。
えりたん、初の新公主演でこれ演ったのすごいな、大変だったろうな。
録画あったはず、観てみよう……。