雪組『レ・コラージュ -音のアラベスク-』
三木先生のショーといえば「訳わからないけど、カッコいい」なのだが、この作品はそこに軽やかさ・小粋さも加わって、オッシャレー! という印象。
様々なジャンルの音楽・ダンスによる場面で構成されているんだけれど、全体を通して繊細さ・軽やかさがあって、精緻な模様を描いているよう。
なるほど、それで「アラベスク」か。
そして恐らく、通底するその印象を作り出しているのは、真ん中のコムさんなんだろうなぁ。
ケイさんとまーちゃんの、ネズミのバレンタインの場面は、キュートだけどちょっと毒があって、洋酒入りのチョコレートといった趣。
黒ずくめのお衣装にワイルドなカツラのケイさんがすごく良い。
やはりケイさん真ん中でダークファンタジー演目を上演しておくべきだったんや劇団さんは……。
吸血鬼モノとか絶対良かったと思う、死の翳を帯びられる美海ちゃんが相手役ならぴったりだったろうに。
ジャズの場面は当然のようにあるw
誰か「宝塚のショーにおけるジャズ楽曲の使用」みたいな研究・まとめしてないかなぁ。
ミズさんはスーツとハットを身につけると本物の外国人男性みたいになるね……。
総踊りでタンバリン叩きながら踊るのはすごい。
膝の高さまで下ろした緞帳にタンバリンが吊るされてて、下の隙間から踊る足元だけ見える演出とか、お洒落にも程がある。
本場のレビューをきちんと勉強してらっしゃるんだろうなぁ……。
演奏が途中でなくなって、出演者の声とタンバリンだけのアカペラ? になるのもすごく良いよね。
宝塚のショーって基本的に常にやかましいからw、音がなくなるとすごく出演者に集中できるし、印象に残る。
歌って踊って大活躍のじゅりさんもすごい。
エンターテイメントの守護神みたいなイメージ。
いると舞台の雰囲気が明るくなる方だよね。
お芝居で小悪党を演っても憎めなくて、稀有な持ち味の方だったんだろうなぁと。
フィナーレの演出も凝っていて素敵。
黒燕尾に娘役が混ざっていてカッコいいのとか、コムまーが青いヴェールに覆われて大階段に出てくるのとか。
デュエダンも踊れるコンビならではの見応え。
コムまー二人ともダンス力があるだけじゃなく、手脚が細長いからお互いに映えますね。
感動したのが、中日劇場のセリ盆がフル活用されていたこと!
そうだよ、中日劇場はセリ盆あるんだから装置が活躍できるショーやってくれよ……。
一本物の方が売上良いのかな……。うっうっ