宙組『うたかたの恋』タカハナ
うたかたの恋のテーマ曲って、猛烈に聴きたくなることありますよね。
というわけでタカハナ版。
まぁ何つったっておハナ様の姫役者っぷりがすごい!
当時既にかなりベテランでらしたはずなのに……。
酸いも甘いも噛み分けた大人の女の役も、純真な少女の役も、どっちも同じくらいハマるってのが、流石「伝説の娘役」だなぁ。
たかこさんの手脚の長さは、何を着ても映えるけど、白軍服の似合いっぷりは中でもひとしお、ですなー。
そして今回も井上芳雄氏に似ている……と感じた……。
こないだのネバセイはイケコ演出つながりで、今回はルドルフつながりですね。なるほど(?)。
改めてちゃんと見ると、本当にきちんと構成されたお芝居ですね……。
政治とプライベートの両面から窮地に追い込まれ、マリーの手を取り死に駆け寄っていくようなルドルフ。
舞台全体に漂う緊張感は、悲劇に向かうにつれ満開に近づく花のように熱と輝きを増す2人の恋を、より引き立たせる。
(そしてその「恋の花」は、マリーが死の床を飾る薔薇の花弁として具現化する。)
「うたかた」、つまり水の泡ってタイトルですが、それよりもっと力強く熱い、奔流のようなエネルギーを感じます。
タカハナって「見つめ合い力」がすごいというか、「世界に2人だけ」みたいな空気を作るのが上手いコンビだと思うんですが、その力が物語とマッチしていた。
てるみりのうたかたは運命の流れが2人を押し流していくようだったけど、タカハナ版は2人が自ら急流を生み出していくようだった。
どっちも「アリ」で、正しい解釈なんだろうなぁ。
わたるさんの暖かさも親友役に活きていて、却って物語の悲哀を高めていました。ナイスキャスティング。