宙組『華やかなりし日々』
オ……オチてなくないか……?
これで「きれいに粋な終わらせ方したった!!」って思ってたらちょっと原田くん、そこに直れだよ……?
なんか……誰にも見せ場が無いんだよな!?
ただひたすらゆひさんがカッコいいのは確かなんだけど……。
かなめさんなんか二番手なのに、雪組時代の全ツ銀の狼と同じくらいの登場回数じゃない……??
一応話の軸は詐欺師のゆひさんと刑事のかなめさんの対決だと思うんだけど、どっちも完勝してないんだよね……ゆひさんの試合放棄?
かなめさんも「ハッハッハ、してやられたわwww」みたいなリアクションだし、それでスッキリしないのか……。
ゆひすみの恋にも明確なイベントがないし(なんならゆひさんの片想いで終わっていたとも読める)、弟分・みっ様もかなりの重要人物なのに「その後」が描かれないままだし、いや確かに取るものも取りあえずの状況ではあったけど、ゆひさんが無責任にすみ花とみっ様を放置して一人国外逃亡したみたいになってるんだよね!?
だいたい、子ども時代の回想シーンまで入れてあの劇場への恨みつらみ執着を描いておきながら、すみ花がぽっと現れたことでその目的をくにゃっと曲げちゃうのは何なの……?
もうその時点で話が破綻してるんだよ~……普通ならそこですみ花を使って劇場に復讐する方法を考えるものなんだよ~……。
原田先生、美的センスはあって、ポスターは毎度最高だし、お衣装もキマってるしセットも素敵だし、おまけに主演者にぴったりな題材持ってこられる知識と感性もあるのに、どーしてそう……脚本の作りこみ描きこみ書きこみが甘いのかッ!
リンカーン「だけ」は絶賛されてたけど、イシさんの校正が入りまくった結果じゃないかと穿っているよ……。
しかし前述した通り、題材とキャスティングは最高なのだ……特にゆひさんの。
華麗に人々を騙して夢を見せまくった美しい「詐欺師」ってのはまんま宝塚の男役に、とりわけそれを意識的にやっていたゆひさんにまんまハマる。
偽の宝石ってのもメタファー性が強い。
(嗚呼、NICE GUY!!のときもそうだったけど、なぜ演出家各位はゆひさんを素材にするといつになく宝塚に対して批評的に自己言及的になるのだろう……。)
ゆひさんに才能を見出されてスターダムに乗るすみ花、というのもかなりアテ書きだが、ざんねんそういうゆひすみはクラシコで景子先生が提示済みなんだよ!