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ヅカ式宝塚鑑賞日記

小並感千本ノック

花組『あかねさす紫の花』博多座

壬申の乱でクライマックスかと思いきや、「この兄弟の軋轢が壬申の乱に展開していくのです~」的なナレーションで終わって、肩透かし喰らった気分!

けどあくまで政争じゃなくって、恋の切った張ったがメインってことですね。

柴田作品なので基本的に誰も幸せになってないけど、一応誰も死にません。

 

割と全体として淡々としているんですけども……まぁ大化の改新から中大兄皇子が即位するまでを描くので、さすがの柴田先生と言えどダイジェスト的になってしまってるんだと思うのですが……物語のハイライトである、額田王大海人皇子から中大兄皇子に奪われるシーンが、儀式の出し物に重ねたダイナミックなダンスで表現されていて、すごく鮮烈で印象に残るように演出されていて、上手いなー! と舌を巻きました。

 

あと単純に、オサアサが一人の女性を奪い合うってだけでもサイコーなのに、兄弟設定とか、ありがたみしかありませんな……。

弟の妻を強引に奪い取り、政治面でもどんどん強硬な暴君になって狂っていくけれど、色気と麗しさを失わずトップスターの役として成り立たせてるオサさんのカリスマ性すげーよォ~

 

嫁を盗られて泣き寝入りするしかなくて、俺の方こそ悔しさで狂いたいわ!!! って状況にもかかわらず、理性を保ち続けるあさこさんの悔しさ激しさの描写も壮絶だった。

本当柴田作品は皆幸せになれねぇな……。

 

額田王のみどりさん、少女時代の気の強さ・明るさを保ったまま美しく成長してる設定と強めの美貌が見事にマッチしていた。

難役だと思うのだけれど、大海人皇子と暖かな幼なじみ愛を育んできた様子も、一方で中大兄皇子の激しさ・強引さに惹かれてしまうジレンマも、観てる側がスッと受け入れられる演技だった。

中大兄皇子の妃になる運命を受け入れ、周囲の状況も安定してからの、悟ったような諦観したような穏やかな表情も見事だった。

元々好感を持ってた娘役さんだったけど、ますます好きになり申した。

 

中臣鎌足がチハル兄貴ってのもありがとうございますキャスティングだった……。

本っ当に血生臭さある役人の役お似合いだよね……今で言うマギーさんみたいなポジションかな……。

中大兄皇子額田王を妃にしてしまって、妃の座を追われる形になった額田王の姉・鏡王女は中臣鎌足に嫁ぐんだけど、私なら最初からチハル兄貴一択だわー と設定ガン無視したことを思っておりました。

 

既にみわっちの役付がかなり良くて、出番も台詞も沢山ですごいなーとなった。

未涼パイセンも役ありなんですが、出番はそんなになかったです。

有馬皇子。しかしロイヤルかつ幸薄そうな雰囲気が役によく合ってました。

この人も後に悲惨な死を遂げるんだけど、作中では描かれず(台詞で暗示はされている)。人の死なない柴田作品。

有間皇子 - Wikipedia