雪組『マ・ベル・エトワール』
いや~、90年代、濃いわ~!!!
やはり見れば見るほどクセになってしまいそう……。
とりあえずOPが全員キンキラorギンギラのメタリックお衣装で、初期V系みたいな音楽を背に往時のX JAPANみたいな髪型した一路さんが出てきてびびる。
タイトルから「小洒落たパリレビューかな?」って勝手に思い込んでたから余計に。
集中線みたいな照明もダサカッコよくて、時代を感じる。
どうやら未来からタイムトリップしてきた一路さんたちが、20世紀はどんな時代だったのかを視察する設定みたいです。
けどその設定要ったんか(笑)。
一路さんを案内する20世紀ガイドの上級生ズも、結局その後出てこないしな……(⌒▽⌒)
上級生ズ、今もバリバリ現役のナガさんが混ざってるんですけど、お化粧が今よりだいぶケバくてバタ臭くて、これまた時代を感じます。
「視察」は20世紀初頭のパリからスタート。
なんだ結局パリレビューやるんじゃ~ん!!!
チハル兄貴たちがどピンクのスーツにいかにもな付け髭&ハットでサ・セ・パリ歌いながら出てきて、どうしようかと思いました……。
夕暮れの場面で、一人佇み歌うイシさんは、パリの宵の擬人化のようだった……。
本当この方、しっとり妖しい色気ふりまいてて、私たちのイメージする「パリ」に似合うよな~……!
おもちゃや動物たちが夜中に動き出す「アパルトマン」はおハナ様メインの場面。
いつまでも可憐な方ですが、この当時は本当に「少女」。
幼妻おハナ様が見られます。どピンクのダルマ着てるんですけどね。
場面は上海へ。
軍服の一路さんがチャイナ服の娘役たちに囲まれる、宝塚でよくあるw妖しい場面。
黒チャイナ・黒ボブのおハナ様の危うい少女性。
続くコットンクラブはこれまた濃いです。
たかこさんセンターで、豹柄スーツでカッコよく踊る雪組子たち……。
タータンの歌をバックに、イシさんが女装した高嶺さんといやらしく踊るシーンは濃厚すぎて、舞台に3人しかいないのに逃げ場がない!!! すげぇな90年代!!
全員白スーツ&白ダルマの中詰めは洗練されていてオシャレ。
圧巻なのは、当時まだ雪組子だった五峰姐さん。
男役さんに脚を持たれて逆さになる、アクロバティックな振付もこなしていました。
他の場面でも扱いが上の方で、本当に重宝されていた娘役さんだったんだなと。
トウキョウ・イリュージョンと題された場面で、やっとOPの世界観が戻ってきます。
(当時の感覚で言う)近未来的なお衣装の一路さんを囲む、ボンデージ風のダルマ衣装に網タイツ穿いた娘役さんたち。
五峰姐さんもすごい迫力の表情でいます。
ってかこのショー、ダルマ率高いな!
そんなアダルティーな場面の後に、麗しのサブリナっぽい、可憐なおハナ様のソロシーン。
おハナ様は宝塚のオードリー・ヘップバーンなんだな……と思った……。
永遠の妖精、永遠のヒロイン……。
フィナーレは「My Way」とか、おなじみのポップスのアレンジが使われています。
もしかして「現代」に戻ってきたってことか……?
エトワールは初演エリザのゾフィー役でおなじみ、朱未知留さん。
美穂姐があんまり出てこないなと思っていたんだが、この頃は朱さんがいたのか、なるほど。
いやーすごいなー。雪組。今も芸達者の組だけど。
そこに90年代のエネルギーとか濃さとか、演出家のセンス(なのかな、これは……)がぶつかりあって、なんかものすごいものを見たぞという気持ち。
あ、フィナーレは正統派パリレビュー風で、結局タイムトリップのストーリーは回収されませんでした。
フィナーレに使えば良かったのに、あのキンキラの未来人服。