宙組『Paradise Prince』新人公演
やぁやぁ、なんだか久しぶりに骨のある、見応えある新公を観た! って気持ちですよ。
みーちー大アリスちゃんら、88期生のラスト新公。
主演は大ちゃん、ヒロインはたらちゃん。
大たらの組み合わせが、すごーく良いんです。
見た目のバランスも良いし、2人とも現代的で自然体の可愛さがあって、「可愛いカップル♡」と見ていて幸せになります。
本科予科で、重ねてきた時間が長い大たらならではの空気感というのもあったかもしれません。
雰囲気の親密さ、暖かさが本物のトップコンビみたい。
作品の明るさも、大ちゃんの持ち味が活きて、良いキャスティング。
舞台が現代だし、若いカップルの青春ものなので、本公演よりも新公キャストの方が年代的に近く、やりやすい部分があったのかも。
しかし何より、主演者に求められる素質「真ん中に立つ人のスターオーラ」を大ちゃんが放ちまくってる、これが大きい。
自分が真ん中に立つべき人物であると疑いもなく自負している、そういう勢い、思い切りの良さを感じました。
迷いが無い明るさ。
変な言い方になってしまうけれど、大ちゃんをこんなにまぶしいと思ったことはないし、真ん中にいるときが一番輝く人なんだなぁと思った。
マギーさんのカエサルもそうだったな……発光してた……。
たらちゃんも、健気で少し気弱な感じが(もしかしたら本役のウメちゃんよりも)役に合ってました。
主人公の将来のために、自分の夢を手放してしまいそうなヒロイン。
お衣装も全部可愛くて似合う似合う。
脇役勢も芝居巧者が多くて、ビシッと締めてクオリティを上げています。
主人公の母親にせーこ、彼女が亡夫の死から立ち直ることを密かに願い続けているみーちゃん(老け役)(めっちゃ素敵)、亡夫の面影を主人公に押しつける母親と主人公の和解を試みる妹のれーれ。
2Dアニメーション課課長のじゅまちゃんも上手。可愛いのにおじさんもできてすごいなぁ。
キーパーソンとなる美術収集家の息子はちーちゃん。出番はそんなに多くないんですが、テンション高めに作品のスパイスになっていました。
最後の挨拶で、長のアリスちゃんも大ちゃんも涙ぐんでいたのが印象的でした。
本当に苦労が多かったんだな、と伝わってくるご挨拶で、だけど皆晴れやかで、皆さんの青春を垣間見た気持ちです。
しかし改めて見返すと、ヒロインが「可愛いから」って理由でチヤホヤされるし、最後めでたく奨学金がもらえるぞってときも「こんなに可愛い子には」って言われるんだな。
違うだろう、評価されるべきはアーティストとしての将来性であって、可愛さではないだろう。
これ、ヒロインが醜女だったらどないすんねん。
こういう台詞とかヒロインの扱われ方を見ると、本当に景子先生は女性なのか疑わしくなるわー。
採用の流れとか残業の扱いとか、アメリカが舞台でそんなルーズなのはありえないだろう、というリアリティの無さにも詰めの甘さを感じるが、その辺はコメディなので「言うだけ野暮」なんだろうか。