星組『グレート・センチュリー-メモリーズ&メロディーズ-』
1999年の作品なんですね。
20世紀を語る楽曲を取り上げる、という趣向だったみたい。
宙組の『GLORIOUS!』と近いコンセプトですね。
のっけから車の作り物が舞台を横切り、摩天楼の頂上に佇むゆりさんがセリ上がってきてインパクト強い。
ステージに大きく掛かった☆型の電飾もびっくりポイント。
この時代の作品(特にショー)のセットって、お金掛かってる! って感じしますよね。規模が大きい。
経済力(まさに「力」)を感じるわ……。
OPはおしゃれなレビュー風。
ノルぶんが男1男2なんですが、2人とも上品で甘やかな雰囲気なので、こういうの似合いますね。
と油断していたら、いきなりド蛍光色のディスコファッションの娘役たちと、ギンギラシルバーのお衣装着たサエコさんたち男役がロックに載せて歌い踊る。
上からはUFOのセットが降りてきて、もう何が何だか。
そう、こういう訳わからないものなんだ、私が三木ショーに求めているのは……。
次は再び上品・正統派の場面。このショー、アップダウンが激しすぎる。
真ん中はぶんさん。
白燕尾で、ロマンチックな舞踏会。
この舞踏会のセットもゴージャスで、ショーの1シーンのために作られたとは思えないほど立派なのだ……。
続く場面はゆりさんの本領発揮という趣で、スペイン(?)で戦争に駆り出される男たちを、女たちが涙ながらに送り出すという芝居仕立て。
ゆりさんがスカートを振り乱し、おみ足を惜しげもなくさらしながら情熱的に踊ってくださります。ありがたみ……。
ノルさんもラテン男の扮装。
植爺に愛されてしまったオスカル役者というイメージがあったのですが、こういう男くさい雰囲気も合う方ですね……お芝居もちゃんと見てみよう……。
若手による名曲メドレー。
ビールのCMでおなじみ、ジプシー・キングスのボラーレから始まって、なかなか度肝を抜かれます。
白亜のバルコニーみたいなところで、ノルさん率いるブルー系スーツの男役たちと、ゆりさん率いるオペラピンクの娘役たちがリベルタンゴに合わせて踊るローマの場面が、個人的には一番お気に入り。
キレッキレで踊るゆりさんが男役たちを従えたり自分を担がせたりするんですよ、サイコーですよ。
やっぱり三木先生の感性って「カッコいい」にピーキーに特化してるんだと思うわ……「カッコいい」への感性が尖りすぎてて、ショー全体の流れとか調和性とか、そういうものがお留守になってるような気がするわ……そう、こういうものなんだ私が(ry
作品も、娘1がカッコいい系娘役の方が佳作が多い気がしますが、いかがか。
なーんて感心してたら、いきなり場面が暗くなって、大きい真っ赤に光る砂時計? みたいなセットが出現して、「我々は云々かんぬん地球を捨てた~」みたいなナレーションで、いきなりSF映画みたいなのが始まります。
で、宇宙の帝王みたいなお衣装のハッチさんが現れます。びっくりだよもう!!
音楽も電子系でカッコいいよ!
黒い箱みたいなセットに金のローマ数字が書かれたセットが、意味わかんないけどカッコいい。やはりセットがゴージャス……。
そしてそこが開いて、シャンパンゴールドのドレスを着た天使のようなゆりさんが光と共に現れたときは、割と本気で感動した。CGじゃないからね! 生身の人間だからね、しかもこれ公演中は毎日ナマで観られてたってマジか!!!
フィナーレは再び正統派。
ロケットは白羽根を背中と頭に付けたパリレビュー式。
そしてそこから最後まで、お衣装がオペラピンク&モノトーンで統一されてて素敵なんだ。
まっピンクのドレス着て、同じ色の蝶ネクタイ&ベストに黒燕尾着た男役たちに囲まれるゆりさんとか(ここでもぐっきりスリットでおみ足を出されている)(ありがたい)。
黒のラテンなお衣装着て、オペラピンクの娘役たちに囲まれるノルさんとか。
(そう、場面によって2色の比率が変わるのが上手い。)
3組の男女によるデュエットダンスは、ピンクとグレーの組み合わせで大人っぽい。
ノルゆり素敵ですわ~~~~、大人のカップル!
ゆりさん興味あったんですが、この作品を観てかなり好きになりました。
ちょっと他の作品もちゃんと観たり、お人柄が見えるエピソードを調べたりしてみよう。